綺麗な満月の夜―― 「光お兄ちゃん」 淋し気に散る花びらに包まれて、目の前の大きな桜の木を まだ子供の私達はしっかりと手を繋いで見上げていた。 「まゆ、光お兄ちゃんの側にずっといるからね」 『本当かなぁ~♪?』 「本当だよぉ!」