道ばたに鞄をガサッとひっくり返して中を見ると
携帯どころか
お財布も橘家の鍵も大切な物は何もかも入っていなくて
「あ………」
あの時
空港で光にぃと逃げた時置き去りにしたスーツケースの中。
全部あの中だぁ…
今頃気付く自分のマヌケさに笑いが込み上げて来る。
この状況じゃあ光にぃが帰って来ても一緒に入る事は出来ないし
お金も携帯もないし
どうしよう…
゛…まゆ?゛
絶望的な状況にガクッとうなだれた時
聞き慣れた声がした。
゛やっぱまゆだぁ?!こんな所で何してんの?゛
見上げるとそこには美姫が立っていて
「美姫───…ううっ。助かったぁ」
安心して突然泣き出す私を美姫はいつものように大爆笑しながら見ていた。

