『まゆ───』
「ん。どした?」
『自分を責めるな。了解?』
ポンと頭に置かれた手に泣きそうになるのを我慢して
笑うだけで精一杯だった。
車を降り際に交わした会話。最後まで私を気づかってくれてる。
私のほうこそごめんだね。
1駅隣のひとけのない路地で降りて、光にぃの車を見送った。
光彦ママへのつのる心配や沢山の人に迷惑をかけた後悔
光にぃを好きな気持ち
光にぃの気持ち
色んなものがぐちゃぐちゃに混じって
車が見えなくなると、私はその場にしゃがみこんだ。
神様────
私たちが一緒にいると周りは不幸になってしまうのかな。
みんなで幸せになりたいと願う私は間違っているのでしょうか。
「ごめんなさい…光彦ママ」
優しい光彦ママの顔が浮かんで人目も関係なく、声をあげて泣いた。
誰かを好きになるってことがこんなに苦しい事だと初めて知った夏。
この時の私はまだ本当の苦しみを知らなかったんだ。

