『だろ?』 視線を反らしてタバコの煙を飛ばした。 まゆに逢って浮わついていた気持は 瑠美の名前で一瞬にして現実に引き戻されて影を落とす。 『なぁタケシ。お前以外に、もう一人知ってる奴がいる』 「えっ…誰ですか?」 『楠 瑠美――――』 表情から不穏な空気を読み取ったのか、タケシは深刻な顔でじっと俺を見つめていた。