月下の恋人…missing




いつもライブが決まると、光にぃはチケットをくれる。



好きだからこそ行きたくなかった。



違う世界の遠い人なんだと認めてしまうのが怖くて



平凡な私なんか相手にならないと確認してしまうのが怖くて



ずっと今まで逃げていた。



どうして私は叶わない恋を続けているんだろう。



ねぇ光にぃ―――…




やり場のない気持で視線を上げると



その気持を読まれるように、静かなバラードが始まった。