いつもライブが決まると、光にぃはチケットをくれる。 好きだからこそ行きたくなかった。 違う世界の遠い人なんだと認めてしまうのが怖くて 平凡な私なんか相手にならないと確認してしまうのが怖くて ずっと今まで逃げていた。 どうして私は叶わない恋を続けているんだろう。 ねぇ光にぃ―――… やり場のない気持で視線を上げると その気持を読まれるように、静かなバラードが始まった。