私を見て、私を愛して

罪悪感がなかったわけではないのだろう。

罪悪感を抱えつつも、自分でもどうしたらいいのかわからなかったのだろう。

「雄介さんのどこが好きなの？」

「清潔感があって愛してくれるところ。」

「それって奥さんが洗濯してアイロンをかけたシャツを着て、奥さんが作った料理を食べて生きてる雄介さんってことでしょう。結局、京香は奥さんがつくった雄介さんが好きなだけだよ。」

『奥さんの存在があっての雄介を好きになっただけ』

ゆか子は自分が偏った見方をしていることに気がついていた。

だが、自分も夫を持つ身として、どうしても言わずにはいられなかった。

「だって雄介さんがいなくなったら、誰も私を愛してくれない。」

京香は自分を愛してくれる人は雄介以外いないと本気で思っているみたいだ。

「そんなことない！雄介さんじゃなくても、京香のことを愛してくれる人はいる！私は京香のことを大切にしてるし、愛してるよ！」

「……ゆか子は愛じゃないでしょ。」

「愛だよ！親友に対する気持ちが愛じゃないなんて誰が決めたの？」

「……親友？」