この先の言葉がその笑顔を曇らせてしまう可能性が高いからだ。
葛藤はあったが、言わずにいることはできないと思い、ゆか子は意を決して顔を上げた。
「うん、ありがとう……それでね、そのときに知ってる人を見た気がしたんだけど……」
「うん?」
「雄介さん。」
「……」
「前に一緒に写ってる写真見せてくれたでしょ。一瞬だったから自信なかったんだけど、似てるなって思って……」
雄介とは、京香の彼氏だ。
雄介は京香と同じ職場の先輩だった。
ゆか子が知っているだけでも、付き合って5、6年は経っているはずだ。
「でもね。その人、指輪してたの。結婚指輪。多分横にいたのが奥さんと子どもだと思う。その人も指輪をしてたし。」
雄介に似た男性の隣に奥さんと子どもがいた。
それこそがショッピングモールで人違いだと思った理由だった。
京香の彼氏が、奥さんと子どもと一緒にいるはずかない、と。
「ねぇ、京香。違うよね?雄介さんじゃないよね。だって、女の人と同じ指輪をつけて、子どもと一緒にいたってことは、結婚してるってことでしょ?違うよね?きっと私の見間違いだよね。だって京香の彼氏の雄介さんは既婚者じゃないでしょ?」
ゆか子は京香に否定してもらいたかった。
葛藤はあったが、言わずにいることはできないと思い、ゆか子は意を決して顔を上げた。
「うん、ありがとう……それでね、そのときに知ってる人を見た気がしたんだけど……」
「うん?」
「雄介さん。」
「……」
「前に一緒に写ってる写真見せてくれたでしょ。一瞬だったから自信なかったんだけど、似てるなって思って……」
雄介とは、京香の彼氏だ。
雄介は京香と同じ職場の先輩だった。
ゆか子が知っているだけでも、付き合って5、6年は経っているはずだ。
「でもね。その人、指輪してたの。結婚指輪。多分横にいたのが奥さんと子どもだと思う。その人も指輪をしてたし。」
雄介に似た男性の隣に奥さんと子どもがいた。
それこそがショッピングモールで人違いだと思った理由だった。
京香の彼氏が、奥さんと子どもと一緒にいるはずかない、と。
「ねぇ、京香。違うよね?雄介さんじゃないよね。だって、女の人と同じ指輪をつけて、子どもと一緒にいたってことは、結婚してるってことでしょ?違うよね?きっと私の見間違いだよね。だって京香の彼氏の雄介さんは既婚者じゃないでしょ?」
ゆか子は京香に否定してもらいたかった。
