【いいよー!会えるの楽しみ!!】

それを見て、ふぅー、と息を吐き出す。

ゆか子は心にポッカリと穴が開いてしまったようだった。

「あぁー、もういいや。」

ゆか子は考えることを放棄した。

考えたって仕方がない。

ここに洋樹はいないのだから。

「こうなったら、全部食べてやる。」

ゆか子はローストビーフと生ハムのサラダ、えびアボカドのサラダ、きのこたっぷりのピザを食べて食べて食べまくった。

あんなにも温かな湯気を立てていたはずのスープはすっかり冷めていた。

こうして『旦那をガッツリ掴む作戦その2』は、失敗に終わった。

そしてこの日、仄暗く、ずっしりと重い感情がゆか子の心に根を張った。