私を見て、私を愛して

◇ ◆ ◇ ◆ ◇

「ママ、おいしそうだね。」

友也の声にゆか子はハッとして、現実に戻された。

友也の方を見ると、美味しそうな料理がテーブルに並んでいるのを見て、ご機嫌にニコニコと笑っている。

友也は今日も元気に走り回って遊んでいた。

もちろんゆか子も友也と一緒になってたくさん走り回った。

本当に子どもの体力は底知れない。

今日の天気は雨だったが、湿度が高く、日中はじっとしていても汗ばんでくるような暑さだったため、ふたりともびっしょりと汗をかいてしまった。

風邪をひかないように、いつもより早い時間帯だったがお風呂に入った。

お風呂嫌いな友也は、お風呂から出たあとも不機嫌なことが多いのだが、珍しくご機嫌だった。

決戦前のゆか子としてはとてもありがたい。

お風呂を出て少し経つと、友也はお腹が空いたようで、おかしたべたい!と駄々をこねだした。

仕方なくゆか子はごはんが入らなくならない程度にお菓子をあげていた。

「ママ、たべていい?」

待ちきれないように友也が聞いてくる。