私を見て、私を愛して

問題はこの作戦をいつ決行するのかである。

(いつにしようかな。)

イベントと全く関係のない日に、さりげなく豪華な料理を振る舞うのも良いが、突然そんなことをしてはあらぬ疑いをかけられる可能性がある。

何か洋樹に対してやましいことがあって、その罪悪感からこんなことをしているのではないか。

例えば、ゆか子が洋樹に黙ってお金を使い込んだとか、洋樹の大事なものを壊したとか、ゆか子が浮気しているとか……

洋樹との仲を深め、かつてのように愛されることが目的なのに、かえって疑われるような状況になることだけは避けなければならない。

(どうしたらいいんだろうか。)

ゆか子は洋樹と付き合っていた頃から結婚して今に至るまで、どんな日に豪華な食事を作ったのかを思い出す。

誕生日にクリスマス、バレンタイン、結婚記念日……

多くの特別な日を洋樹と過ごしてきた。

(そういえば、最近は時間に追われすぎて全然お祝いができてないなぁ。)

ゆか子は仕事に家事、育児に追われて、気がつけばどんどん時間が過ぎ去ってしまったということを実感した。

息子の友也の誕生日やクリスマスなど、友也のための記念日はしっかり祝ってきた。