私を見て、私を愛して

ゆか子は、かわいい友也の手を引いて椅子に座らせる。

「ともくん、どうぞ。」

「はぁい。」

友也の前に先ほど作ったおにぎりを置いた。

友也は返事をして頷いたが、おにぎりを食べる様子がない。

ゆか子は友也の隣に座って話しかける。

「ともくーん、食べないの？ともくんの好きなおにぎりだよ。」

友也は朝ごはんを食べるよりも遊びたいのか、リビングに置いてあるおもちゃカゴの中に入っているぬいぐるみを見つめて、そわそわしている。

「おーい、ともくーん。」

「いや！」

友也が首をぶんぶん振って、嫌だと主張する。

「いやなの？美味しいよ。玉子だったら食べる？」

おにぎり以外と食べることはないだろうと思いつつも、一応聞いてみる。

ちなみに以前、玉子焼きブームもあった。

「いや！おにぎり！！」

「じゃあ、おにぎり食べよう。」

ゆか子はこの機会を逃さない。