私を見て、私を愛して

しばらく抱きしめていると安心したのか、友也が力を緩めた。

ゆか子と友也の間に少し距離ができる。

不安げに細められていた目がぱっちりと開き、ゆか子の姿を捉えた。

次第にキラキラと輝き出す。

「ママ、ふわふわ!」

友也がゆか子のワンピースの裾を掴み、上下に動かした。

友也の動きに合わせて、ワンピースがふわふわと舞う。

「ママ、おひめさま!おひめさまかわいいね!」

友也がゆか子を下から見上げて微笑む。

ゆか子は我が子の愛らしさに、胸がぎゅーっと締めつけられた。

ニコニコ嬉しそうに微笑んで女性を褒めるなんて、我が子ながら末恐ろしい。

女性の扱いを完璧にわかっている。

まるでゆか子の小さな恋人のようだ。