私を見て、私を愛して

紙袋から箱を取り出す。

ゆか子が予想したように、以前ゆか子が雑誌で見ていた有名ショコラティエが手掛けたチョコレートだった。

「どうして?だって、あの時、高級チョコレートにお金を払う人の気持ちがわからないって言ってたのに。」

ゆか子には洋樹の行動の意味がわからなかった。

「俺はチョコを買わないけど、欲しかったんでしょ……ゆかちゃんは。」

ボソッと付け足された一言に胸が高鳴る。

(それに今、私のこと「ゆかちゃん」って言った。)

ゆか子は嬉しかった。

ほんのりと心が温まるのを感じた。





ーーーもしかしたら、私が思っている以上に、洋樹さんは愛してくれているのかもしれない。






ゆか子の日常がわずかに色づいたような気がした。