私を見て、私を愛して

普段から不安や不満を溜め込み、それを外に出さなかったせいで、今日は一気に爆発してしまった。

洋樹に対する不満はたくさんあった。

共働きなのに自分の方が家事や育児の負担が多いこと。

残業で遅くなる時や飲み会で夕食の用意がいらない時に連絡が遅いこと。

ちょっとズレていること。

友也がいなくてもゆか子を「ママ」と呼ぶこと。

ひとつひとつは小さな不満だった。

だが、その小さな不満が溜まって洋樹への大きな不満へと形を変えてしまった。

(このまま連絡しなかったら洋樹さんと一緒になっちゃう。)

ゆか子は同じことをしたくなかった。

「……とりあえず連絡だけはしておくか。」

【私は大丈夫です。】

携帯の電源を入れて一言だけメッセージを送ると、すぐに既読がついて携帯が鳴る。

【着信 洋樹】

その文字を見てゆか子は戸惑った。

(出た方がいいよね……でも……やっぱり……あー、やっぱり出る!女は度胸!!)

意を決して、ゆか子は電話に出た。