私を見て、私を愛して

 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

ゆか子は公園のベンチに座って、公園にいるハトをぼんやりと眺めていた。

車を降りた後、あてもなく歩いた。

荒れた海のような心を落ち着けるために。

歩き疲れたおかげで、高まっていた気持ちは落ち着いたが、その後に襲ってきたのは自己嫌悪だ。

(どうしてあんなこと言っちゃったのかな。)

きっと洋樹には意味がわからなかったはずだ。

洋樹からすれば、いきなり「ママじゃない」と言って車を降りた酔狂な女に見えただろう。

(でもそれも……全部どうでもいい。)

ゆか子の携帯が鳴った。

【着信 洋樹】

画面に映る文字をじっと見つめる。

しばらく音を立てていたが、諦めたようにプツンと切れた。

もう何度目の着信かわからない。

(これからどうしようかな。)

静かになったばかりの携帯が、再び音を立てる。

先ほどとは異なり、ピロンと一度だけ音を立てた。