私を見て、私を愛して

その言い方が、余計にゆか子の気に触る。

「私は友也のママだけど、あなたのママじゃないわ。」

「ちょっと待って、本当にどうしたの?」

洋樹が焦ったように言う。

当たり前だ。

洋樹からすれば突然のことで、どうしてこうなったのか、何が何だかわからないのだから。

ゆか子はそれがわかっていても、自分を止めることができなかった。

「大丈夫だから降ろして。」

「え、本当に?」

ゆか子の本気度が伝わったようで、車が減速する。

「良いからおろして、パパ。」

洋樹が息を呑んで車が止まる。

車が止まった瞬間、ゆか子は車を降りた。

一度も後ろを振り返ることなく、真っ直ぐ歩いた。