私を見て、私を愛して

それは今まで、決して気づくことがないように、決して外に出さないようにしてきたものだ。

いつから洋樹がゆか子のことを「ママ」と呼ぶようになったのだろうか。

いつから愛の言葉を囁かなくなったのだろうか。

いつから男と女ではなく、友也にとっての父と母だけになったのだろうか。

(……愛されたい。)

漠然とした思いを抱えながら生活してきた。

好きな人と結婚して、子どもが生まれ、自分は幸せだと感じた。

これが幸せなのだと思った。

だけど、そんな幸せの中で、何か満たされない自分がいることに気がついていた。

その原因はわかっていた。

母としての幸せだけでなく、女としての幸せを感じたいという贅沢な自分がいたのだ。

(……愛されたい。女として。)

何度打ち砕かれようとも、その願いを捨てきれない自分がいることに気がついていた。

洋樹に「ママ」と呼ばれるたびに、見えない傷を負った。

そしてゆか子のことは、もう女として見ていないのだと思い知らされた。

(……愛されたい。女として。あなたに。)