私を見て、私を愛して

ゆか子はサメのぬいぐるみを持ち、何度も戦うのだろう。

(でも、もしかしたらチンアナゴも持たせてくれるかもしれないわ。)

疲れつつも幸せなひとときを想像すると、思わず笑みがこぼれた。

それに気づいた洋樹がつぶやいた。

「ママ良かったね。友也も喜んでくれそうだし。」

「うん、今日水族館に来れて本当に良かった!」

洋樹に同意し、ゆか子は満面の笑みを浮かべた。

「今度、友也と一緒に来れたらいいね。」

ゆか子の言葉に洋樹も頷いてくれた。

嬉しさが抑えられず、ニコニコしていると、洋樹が感心したように言った。

「それにしても真っ先に友也の好きなもの見ちゃうなんて、すっかりママだなぁ。」

しみじみとつぶやかれたその言葉が、ゆか子の胸に引っかかった。

鉛を飲み込んだように、胸の辺りがずっしりと重くなったような気がした。

(私は友也の母親でママだけど、あなたのママじゃない……)

少しずつ少しずつの胸の奥底に蓄積してきたものが溢れ出してしまいそうだった。