私を見て、私を愛して

平日は16時まで働き、息子の相手をしながら料理をするゆか子は、家では品数の多い食事を用意できていない。

これはゆか子に対する嫌味なのだろうか。

どうしても卑屈になってしまう。

まるで何かが引っかかったように、胸が苦しかった。

そのまま帰宅するのかと思っていたのだが、洋樹が思い出したように言う。

「そういえば取引先の人に教えてもらった水族館がこの辺りにあるみたいだから行かない?なんかね、人気のところみたいだよ。」

「いいね。」

ゆか子は特に断る理由もなかったので了承した。

ゆか子が了承する前から、車は水族館に向かっていたような気がした。