味を調整し終わったスープに少量の野菜を投入し軽く煮立てておけば完成だ。
あとは、寝かせておいたジャガイモの生地を薄くのばし、ラーメンのように細く切って茹でるだけ。


「ゆであがった麺は、こうやって冷たいお水でしめてください」

一度お手本を見せて、茹でる作業は他の人にまかせる。わたしはその間に調味料をつくった。


沢山食べてもらいたいし、味に飽きないようにしたい。

チーズとミルクを火を通しながら混ぜて、とろとろのチーズを作る。できあがったじゃが麺ラーメンにかければ、濃厚さとコクを味わえる。


さらにはラー油を用意した。
トウガラシの粉を水で練っておき、鷹の爪を入れて火を付け、香り付けをした油と混ぜれば簡単に出来上がる。
火入れの時にごま油とネギが欲しいところであったが、食材を使いすぎるのもよくない。今回はなしで基本の味を作ってみた。


「それはなんだ?」

「ラー油。出来上がったじゃがいもラーメンにお好みでかけてもらうの」

「らーゆ? それは味見しないのか? あとらーめんってなんだ?」

カウルはずっと、わたしの後ろでそわそわしている。


「これ薬味だから辛いよ?」


唾を飲み込みながら覗く仕草は子供のようだ。思わず笑みが零れた。