城の生活は朝が早かった。ゆづかは少しでも眠気を落とすように目を擦る。電気が無いからだろうか。この世界の人たちはみんなどこぞのヤンキーみたいな風貌なのに、早寝早起きで規則正しい生活をしていた。

掃除係も調理係も世話係も子供もすべて髪型から喋り方までヤンキーみたいだ。
警備隊が一番派手で、何度か緊急出動のようなものを見かけたが、全員でバイクにまたがり出発する姿は申し訳ないが駅前に屯する不良そのものだった。

不思議なのは元の世界と変わらないバイクだ。
素材は別物みたいだが、乗る、という機能と性能は元の世界と変わらない。

詳しくは教えて貰えなかったが、バイクは錬金術師による錬金術によって形成されるらしい。各国の軍事力を示す物で、警備隊にだけ支給されるそうだ。

燃料ではなく魔力で走っているため、力が弱ければ小さなバイクにしか乗れないし、力が大きければその分大きなバイクを動かせる。

だから警備隊は魔力の強い者たちで形成されていて、憧れられる存在でありエリートなのだ。

警備隊の訓練指導で、三輪車みたいな可愛いバイクにのって練習している候補生達をみたが、笑ってしまうほどかわいらしかった。