「よし、やれ」
カウルの号令で、男達が動き始めた。
「え、やだ、何?! なにするの?! 痛ったあ!」
バイクにぐるぐる巻きにされていた縄が解かれ、わたしはどさっと石の上に落ちた。足首と手首は縛られたままで受け身が取れず、肩と腕を打ち頬を擦った。
「制裁ってなに?! 待ってください、ほんとにわたしは何も……」
トラックが突っ込んできたときより恐怖を感じた。
体がブルブルと震え涙を滲じませると、周りがざわついた。
「お、おい、あのリア姫が泣いてるぜ……」
「騙されるな。こうやって媚びてくる姫に、何度も裏切られたんじゃないか」
「煩いぞこんなの演技だろ。往生際の悪い女だ。ったくこんな性悪が姫だなんてノーティ・ワンの恥だ」
青髪のラジは立てられていたバイクゆっくりと倒すとシートに跨がった。ブオンとエンジンがかけるとマフラーからの排気が金髪を揺らす。顔に吹き付けた熱気に、眉をしかめた。
足首の縄の先は、バイクにつながったままだ。
わたしは嫌な予感がしていた。
「引きずり回してやるよ」
振り返ったラジは冷たい瞳を向けた。ゾゾゾゾっと背筋が凍る。
いや、これはすでに制裁とかいう域じゃなくて死刑だ。石畳みたいなのじゃん。めちゃくちゃ痛いじゃん。え、絶対死ぬよね。せめて即死にしてください。この世界で死んだら今度はどこへ行くっていうの?
カウルの号令で、男達が動き始めた。
「え、やだ、何?! なにするの?! 痛ったあ!」
バイクにぐるぐる巻きにされていた縄が解かれ、わたしはどさっと石の上に落ちた。足首と手首は縛られたままで受け身が取れず、肩と腕を打ち頬を擦った。
「制裁ってなに?! 待ってください、ほんとにわたしは何も……」
トラックが突っ込んできたときより恐怖を感じた。
体がブルブルと震え涙を滲じませると、周りがざわついた。
「お、おい、あのリア姫が泣いてるぜ……」
「騙されるな。こうやって媚びてくる姫に、何度も裏切られたんじゃないか」
「煩いぞこんなの演技だろ。往生際の悪い女だ。ったくこんな性悪が姫だなんてノーティ・ワンの恥だ」
青髪のラジは立てられていたバイクゆっくりと倒すとシートに跨がった。ブオンとエンジンがかけるとマフラーからの排気が金髪を揺らす。顔に吹き付けた熱気に、眉をしかめた。
足首の縄の先は、バイクにつながったままだ。
わたしは嫌な予感がしていた。
「引きずり回してやるよ」
振り返ったラジは冷たい瞳を向けた。ゾゾゾゾっと背筋が凍る。
いや、これはすでに制裁とかいう域じゃなくて死刑だ。石畳みたいなのじゃん。めちゃくちゃ痛いじゃん。え、絶対死ぬよね。せめて即死にしてください。この世界で死んだら今度はどこへ行くっていうの?



