(な、なんかやばいかも…)
ここは天国でも地獄でもなさそうだ。わたしは汗をだらだらと流した。観客席から早くやっちまえー!と声が聞こえる。
「わ、わたしは篠塚ゆづかです! 日本でしがないOLをやってました! 家で夕飯を食べてるときにトラックが突っ込んできて、それで、それでっ多分死んだんです! 気がついたらここにいて、その、リアって人になってて、だから何も国の事とか状況なんてーー…んぐっ」
命の危機を感じわめきたてると、青髪君に顎をつかまれてしまう。
ガチンと口を閉じた為、舌を噛んでしまった。ヒリヒリと痛い。
「変なことばかり言いやがって…」
「おいラジ、まだ手を出すな」
ラジ、と呼ばれた青髪君はチッと舌打ちをした。
「カウルは手ぬるいんだよ! 前代総長の娘だったからって遠慮してんだろ。もう前代もいない! これ以上好き勝手やられてたまるかってんだ」
「フェンも落ち着け、まだ話の途中だ」
興奮している赤髪君も窘められる。
「落ち着いてるさ。これ以上議論などする必要がないほど、この女は悪だって言ってるんだよ。もう姫でもなんでもない。即刻制裁を加えるべきだ!」
じっとわたしを黙って見ていたカウルは、ふと碧眼の瞳を逸らすと「そうだな」と呟いた。
いや、待って。助けて。
慌てて周囲に助けを求めても、誰もが蔑んだ目でわたしを見て、見方になってくれそうな人はいなかった。
ここは天国でも地獄でもなさそうだ。わたしは汗をだらだらと流した。観客席から早くやっちまえー!と声が聞こえる。
「わ、わたしは篠塚ゆづかです! 日本でしがないOLをやってました! 家で夕飯を食べてるときにトラックが突っ込んできて、それで、それでっ多分死んだんです! 気がついたらここにいて、その、リアって人になってて、だから何も国の事とか状況なんてーー…んぐっ」
命の危機を感じわめきたてると、青髪君に顎をつかまれてしまう。
ガチンと口を閉じた為、舌を噛んでしまった。ヒリヒリと痛い。
「変なことばかり言いやがって…」
「おいラジ、まだ手を出すな」
ラジ、と呼ばれた青髪君はチッと舌打ちをした。
「カウルは手ぬるいんだよ! 前代総長の娘だったからって遠慮してんだろ。もう前代もいない! これ以上好き勝手やられてたまるかってんだ」
「フェンも落ち着け、まだ話の途中だ」
興奮している赤髪君も窘められる。
「落ち着いてるさ。これ以上議論などする必要がないほど、この女は悪だって言ってるんだよ。もう姫でもなんでもない。即刻制裁を加えるべきだ!」
じっとわたしを黙って見ていたカウルは、ふと碧眼の瞳を逸らすと「そうだな」と呟いた。
いや、待って。助けて。
慌てて周囲に助けを求めても、誰もが蔑んだ目でわたしを見て、見方になってくれそうな人はいなかった。



