次の日、朝、大学の門を過ぎると、山崎くんはいた。

 山崎くんの友達と女の子たち。

 私は、知らないフリをして通り過ぎた。

「ごめん。ちょっと用事。」.
 そういうと、私の方に駆け足で近づいてきた。

「おはよう。純菜ちゃん。」
「おはよう。」
 挨拶をされたら、挨拶するしかない。

「朝から会えるなんて。」
 嬉しそうな声で言った。

「はい、はい。何か用?」
 私は、優しくは言えなかった。