「純菜ちゃん、今日、用事ある?」
「これから、バイト。」
 山崎くんはため息をついたが、話を続けた。

「どこでバイトしてるの?」
「港駅前のカフェ。」
 めちゃ聞かれて面倒臭い感じはしたが、無視は出来なかった。

「そっかぁ。じゃあ、土日は?」
「土日はバイト。」
「何時に終わる?」
「わからない。」
「土曜日、港駅で終わるの待ってるよ。少しでも会いたいから。」
 また、照れることを平気でいう。

「待ってても、行かないよ。」
「うん。わかった。じゃあね。」
 やっと諦めてくれたようだった。