・・・ジューン

・・ンジュン

ジュンジュン?

起きて?おーきーてー

 「あ、あー?俺寝てた?」


海から戻ってすぐベットに寝転んだら
すっかり寝てしまったみたいだ

それにしても、リアルな夢だった
出会いから結婚するまでを振り返る
壮大なストーリーだ


「3時間寝てたよ!
もっと寝かせてあげたかったけど、
そろそろ夕ご飯の時間だからね〜」

今夜はルームサービスじゃなくて
レストランに行くんだよね?と、
お化粧やら髪の毛やらバタバタ準備
しながらナミがしゃべっている

「うん、個室予約したから〜」



ナミは辛抱強いので、一度も不満を口に
したことはないが、

僕と結婚した事で、不自由になった事が
かなり増えたと思う

そもそも結婚したこと自体も
ごく身内にしか話せないし、
親にも言えないことが多いだろう

恋人同士で行く場所には
なかなか行けないから
フラストレーションもたまるだろう

二人で外に出る時は、僕以上に顔を
隠す必要がある

追い回され怖い思いをしたことも多い

この数日間だけでもそういった
しがらみから離れさせてあげたかった



夢の中では自分が知らないナミの経験も
鮮明に描かれていて、
彼女が僕に乗り移ったような不思議な
体験だった

夢だし自分が作り出した世界なのかも
しれないが、

相手に思いやりを持ち続けられるよう
想像力を持ちなさいという啓示
だったのかもしれない


着替えて簡単に髪を整え彼女を待つ

おっと、今日は胸元と背中がかなり
開いたドレスですね…んー…


ナミは胸元より、カッピングの跡
だらけの背中を気にしている

後ろから見ると水玉模様の服着てるみたいだよね?って笑っている

 「こうやって手で隠しておいて
  あげるよ」

黒い水玉模様の背中に手を添えて
あげた

ありがとうって恥ずかしそうに
見上げる彼女

僕がここにいるから大丈夫だよって

いつも言える人でいたい