「他の男と話す事だけでも嫌なの、
  本当は誰にも見せたくないし
  触れられたくない!」

 「僕のポケットに入れておきたい
  位なんだ!」

 「本当は仕事でだって男と話して
  欲しくないし電話番号も全部消して
  ほしい!」

 「だけどそんな事できないし、
  言ったら呆れちゃうでしょ? 
  小さい男だって。」

 「でもね、本心では嫌なの、しかも
  ナンパなんてそんな下品な男が
  いる環境にさらされるなんて
  我慢ならない!!」

ぶつぶつぶつぶつ…

最後はなんて言ったか聞こえなかったが
かなりご立腹のようだ

周囲の人がチラチラこちらを見ている 
ユジュンをみてヒソヒソ何か
言っている
 
まずい!

でも我慢できず

「ふふふふふー」

笑ってしまった

「ごめん、うん、わかったよ 
 ユジュンの気持ち分かったよ」

いやいや、可愛すぎるでしょーーーーー

耳を赤くしてモジモジしながらまだブツブツ言っている

大きな男が地団駄を踏んで駄々をこねる

目だけは真剣なフリをして言った

「わかったよ。 
 電車でゆっくり話そうね。 
 一旦乗り場まで行こうか?」




結局私が3メートルくらい彼の前を
歩くことにした
電話で場所は指示される

 「あの青い矢印のとこが特急って
  書いてあるからまがってね」

手で合図する

「着いたらどうする?」

 「僕が切符2枚買うから入口の
  人目が少ない所でまってて」

手で合図

ついでに愛してるのサインも

 「もー 今? 俺も愛してるよ」

ふふふ
ちゃんとルールを守ってる


明らかに不釣り合いな可愛いバスケットをもってガシガシ歩く大男の姿が目に浮かぶ

切符をこっそり受け取り別々に乗り込んだ