初めて外でデートしてみることにした

二人でテレビを見ていた時に
山と綺麗な川の映像が流れて、

いいなー自然のある場所に
いきたいなー
とつぶやいた翌日、

数週間後のこの金曜日OFFになるよ!
田舎の方に遠出してみようよ
とジュンジュンが誘ってくれた

どこか出かけるなんて無理だろうと
あきらめていたので、

飛び上がるほど嬉しかった
実際柄にもなく飛び上がって
はしゃいだのだが…

優しい彼はおばさんのドタバタも
目を細めて
そんなに喜んでもらえるなんて
休みの取りがいがあるよと喜んでくれた


早速秘書に調整してもらい休暇を取る

テーマは滝にした
滝が有名な場所を調べて、
水が綺麗だからと途中で寄る冷麺のお店もピックアップした

目的地を決めたらざっくり調べて
あとは行って考える
という旅行のスタイルも似ていたので
喧嘩もなくすぐに決まる


行きだけどうしても電車にのりたい
彼のリクエストにより
別々の車両に乗って移動する予定だ


一緒に行く意味ある?
と思ったが、イヤホンでこっそり
話しながらいくから
一緒に移動してるのとかわらない
はずとの事でその案を採用した

楽しみだなー
長距離の電車は私も久しぶり



当日長距離電車の始発駅に集合した

近づく事はせず

遠目にお互いを確認する

今日
ワンピースかパンツかを
最後まで迷ったが、

山に登るかもしれないと思い
黒いリネンのノースリーブ
オールインワンにした

籐のバケットハット、
薄いブルーの丈の短いデニム
ジャケットを羽織って、
スポサンと白い巾着のリュックだ

手には籐のピクニックバスケット
ここにはちょっとした食事と
レジャーシート、
飲み物を入れている

早起きしてキンパを作ってみた
滝を見ながら食べたいな 

 「到着しましたね?」

着いたと同時に電話があった

「はい、どこですか?」

 「2階の手すりのとこ」

見上げるとこちらを見ずに
電話をする男性の姿があった

彼は黒いビーニーに黒いサングラス
薄いカーキの半袖シャツと白いTシャツ、
ボトムは同じカーキのセットアップパンツ

白いスニーカーに茶色のバックを
肩からかけていた

髪型でばれるらしく髪をすっぽり
覆っている

ニット帽マスクとサングラスで
既に有名人ぽくなってしまっている事は
言わないでおこう

今日もお洒落でかわいいな


「お待たせしました」

 「では特急電車の乗り場に向かいます」

「はーい」

彼が愛してるのサインを送る

「私も愛してるよ」

言葉で返す

顔は見えないけど照れてるはず



  「ちょっとすみません。
   いいですか?」

知らない人に声をかけられ我にかえる