別の記者が追い討ちをかけるように上から押してくる
多分見上げた時の写真を撮ろうとしているのだろう

でもユジュンが素早く動いて
私に覆いかぶさるように守ってくれた

しゃがんだ私を立たせ、
自分のコートの中に入れて歩き出した

前は見えないがこれで安心だ

彼は私を守るためカメラに
一挙手一投足を撮られ、
下世話な質問を一身に受けていた

彼の背中に刺さったフラッシュが
見えない傷を
作っているようで苦しかった

 「大丈夫?もうすぐ車だよ」

私にだけ聞こえる声で気遣ってくれる
あえていつも通りの口調

私のせいでこんなことになった気がして心が痛い

事務所のスタッフさんたちが人柱になり
一生懸命に道を作ってくれる
とにかく車を目指す

乗り込んですぐドアを閉める
スタッフさんも乗って出発

まだ窓にカメラをつけて写真を撮る記者がいたので
頭を下げて出発するのを待つ

カーテンを閉めて完全に見えなくなったところで
大丈夫だよと言われ顔を上げる

心配そうな顔

 「大丈夫?痛くない?転んだでしょ
  僕が守るって言ったのに
  こんなことになってごめん!!」

「大丈夫大丈夫!全然怪我してないから
 問題ないよ」

 「手が震えてる」
 「怖かったよね。
  僕は慣れてるけど初めてには
  ヘビーだよね。」

「ちょっと怖かった
 人って探求のためにあんな
 形相になるんだね」

「ユジュンはこれを何年も続けるなんて
 本当に大変だね」

よしよしと彼の頭を撫でる

 「ナミの事は慣れで許されないし、
  これからもちゃんと守るからね。
  絶対顔が晒されたりしないように
  するから!」


まだついてくる記者がいたため
一旦事務所に入って車を変え、自宅に向かった

遠目から自宅を確認すると不審な人影がいくつかあった

一時落ち着いたが、
今日の事でまたマークされてしまった

諦めてまたホテルに行く

パクさんの事で心がざわざわする