事務所にきちんと相談したかった

今までとは違って真剣に考えているから

きちんと伝えて味方につけた方が良いと考えた

今日はそれを話すため本社に来ている

事務所の社長、マネージャーリーダーと僕、3人だけだ

単刀直入に始めた

 「今お付き合いをしている人がいて、
  その方と真剣に
  将来を考えています」

 「もちろん、アイドルであることは
  わかっているので、

  ファンに影響がないよう慎重に
  行動するつもりです」

 「ただ、知らないところで
  迷惑をかけてはいけないと思うので、
  今日は相談させて頂きました」

ナミがどういった人物か
年齢や肩書なども含めて説明した

沈黙

  「ビックリして声がでなかった。
   本当の事か?」

社長が口火をきる

 「もちろん本当のことです。
  生半可な気持ちで相談してません。」

  「そうか、わかった」

  「まず、ぼく個人としては、
   君らが幸せな日常生活を
   送れてこその芸能活動だと
   思っているから、

   そう思える人ができて
   本当によかったと思っている」

  「ただ、会社としては
   リスク対策をしなくては
   ならないから、

   手放しには喜べない。
   わかってくれるか?」

 「もちろん、わかります」
 
  「会社、世間、ファン、スポンサー
   等々影響範囲が大きすぎるからね」

 「わかってます」

  「だから、今会社がやらなくては
   いけないのは、
   君の幸せと、世間の幸せを両立
   させる事だ」


  「その為に絶対に匂わせては
   いけないし、
   噂にもなってはいけないよ。
   もし、
   お相手の身バレがあれば、
   不幸な結末になるだろう。」

 
 「はい、十分理解しています」


  「それを約束してくれれば、
   君の幸せを守るために
   こちらは最大限サポートする」

 「社長、
  本当にありがとうございます」

  「ユナさん、それでいいかな?」

ユナ姉さんはデビューの時から
僕らのマネージメントはもちろん、
プライベートの事まで全て担ってくれた

メンバーの1人と
言っても過言ではない

10代で親元を離れ、ホームシックに
なった僕らの母親代わりでもあった

ユナさんだって当時は若くて大変だったのに…

  「まず、私は反対です。
   お相手が企業の
   社長さんというお立場を
   考えても危険すぎると思います」

 「ユナ姉さん、どうかお願い」

立って頭を下げた

  「しばらく、
   あなたとグループを守る為に
   体制をつくりますけど、
   基本的には反対です」

こちらをみて、はっきりと反対された

いつもはもっと色々付け加えて
話してくれるのに、
結論しか言ってくれない…

  「ま、ユナはメンバーみたいなもん
   だからな、
   青天の霹靂だったろう。

   少し時間をあげてやってくれ。」

社長が代わりに答えてくれた