「会えない時間が長くても
   大丈夫なように、
   相当マメに連絡取らないと
   ダメだと思うよ」

  「大人の女性だからわかってくれる
   とかそんなの無いからな!
   逃げられなくないなら
   努力するのみ!」

 「お、おん!今のところ連絡は
  毎日してる」

  「あたりまえじゃ!」

  「一緒にいる時は、
   自分の事は後回しにしろよ!
   まず、彼女のケアをして何も
   要求がなくなったら
   自分の事をするんだよ?」
 
   「食事もサラダとかまず
   取ってあげて、
   飲み物も頻繁に確認、
   食べにくそうなものが有れば
   事前にカットしてあげる」

 「まじ?お前すげーな」

  「言っておくけど、
   世間では当たり前の事だよ」

 「お、そうか… がんばるよ」

  「待ち合わせの時に鞄以外の何か
   持ってたら即、
   持つこと!」

 「はい!」

  「道路側を歩くのはもはや
   DNAレベルの常識と言っていい」

 「ラジャー!」

  「彼女が他の女を褒めた時は
   罠だから気をつけろ
   君が一番可愛いよ、
   が正解だからな、
   間違っても同調するなよ!」

 「笑」

  「歩く日は靴に注意だ
   歩けそうな靴か
   確認してからにしろ!」
 
  「足が痛くなった女性は散歩
   から帰りたくなくて
   踏ん張ってる犬より厄介だぞ!
   一応絆創膏も持参せよ」

 「歩かせなければいいのね」
 「色々大変だな…」

マル先生はまだまだしゃべってたが、
キャパオーバーになって適当に聞き流した


 「俺って社会適応能力が
  著しく低いんだろうな」

 「いつも誰かが食事や飲み物の
  心配をしてくれて、
  冷蔵庫にも知らないうちに
  色々入ってるし」

 「人付き合いでの気遣いは
  日々あるけど、
  もっと近しい人への
  生活レベルの気遣いは
  全くできないヤツなんだろうな」

  「今更気づいたか!
   俺に感謝しろよー」

マルが肉にかぶりつきながら偉そうに言う

確かにマルが言ってた事が前回の
彼女にできていたら、
もっと長続きしていたのかもしれない

でもナミに何かをしてほしいと要求されて、
ましてや怒られた事は今まで一度もなかった

これからあるのか?想像できない…

足が痛くても血が出るまでガシガシ
歩きそうなのがナミだな

世間を知り、彼女への愛が深まる夜だった