‐「きゃあ~♡
可愛い~♡」

朝来(あさき)が、赤ちゃんが寝ているにも関わらず、大きな声を出すものだから、喜々良(ききら)は慌てて、健悟(けんご)はあきれている。

「あたしも健悟との子ども、ほしくなっちゃった」

朝来の言葉に、ズキンッと胸が痛み、まだ、健悟への想いがある事に気付かされる。

「はいはい、短大出てからな」

既に何度もしているやり取りらしく、健悟はうんざりしながら答える。


‐あの日、佑典(ゆうすけ)は、健悟を好きなままでも構わないと言ってくれた。
だけれど、それでは申し訳ない気がして、再び、健悟を幼なじみとして思う事にした。

これからは、ただの幼なじみ。


【完】