「別れよう⋯」

学校の帰りに、天悠は喜々良を呼び出して言った。

「健悟の事?」

心当たりがあったのか、喜々良は口を開いた。

「天悠君、あれは浮気じゃないよ」

「喜々良、浮気ってな、浮ついた気持ちって書くんだよ。
十分浮気じゃねぇか!」

頭を鈍器でガツンと叩かれたようだった⋯。

「それに生徒手帳に、男の写真挟んでるだろ?
それでも浮気じゃねぇって言うのかよ!」

「⋯ごめんなさい」

謝る事しか出来ない。

「お前ら兄妹は人をバカにしてんのか!
佑典はお前の事、好きだって言いやがるし、お前は俺以外の男を好きになってるし⋯。
とりあえず、俺らはもう終わりだ」

天悠は最後まで、喜々良と目を合わせなかった。

天悠は怖かったが、それよりも驚いた事があった。

ゆうちゃんがわたしを好き⋯?