ある日、喜々良(ききら)が家に帰ると、

「おかえり」

母親・まゆみの彼氏・高雄(たかお)がいた。

「まゆみが鍵を貸してくれた」

高雄は喜々良をいやらしい目で見ると、喜々良を押し倒した‐。

行為が終わった頃、まゆみが帰って来たが、高雄の、『喜々良が誘った』と言う嘘を信じて、喜々良に殴り掛かった‐。

‐母親から逃げて、喜々良は健悟(けんご)の家を尋ねた。

インターフォンを押すと、すぐに健悟が出てくれて嬉しくてまた涙が流れた。

「おい、どうしたんだよ、きー?」

月明かりが喜々良を照らした。

乱れた服に、殴られたのか赤い頬。

それで喜々良に何が起きたかわかった健悟は、躊躇う事なく、喜々良を抱きしめた。