「おはよっ」

「あ。おはよう颯」

朝はギリギリにしか登校しない颯が、私と同じ時間に通学路にいる。

「なんで今日そんなに早いの?」

「ん?この時間なら花奈いるかなぁと思って来てみたら居た。
最近あんまり喋れてないからさ」

ほら、こうやって私のことを喜ばせる言葉を出してくる。本当ズルい。

「普通に教室で話しかけてくれればいいじゃん?」

「話しかけようとしても、花奈の前の席を裕貴が陣取ってんだもん…
あいつ絶対花奈のこと狙ってるよ」

「狙ってるわけ無いじゃん!あの人彼女いるんだよ?」

「いや、元々花奈のこと好きだったじゃん!彼女いるとか関係なくまだ好きとかあり得るもん。
…あいつと一緒になって幸せになれる気がしない」

「なに、心配してくれてんの〜?」

「…悪いかよ。最近ちゃんと寝てるか?ストレス溜めたらだめだからな?」

「ふふっ、ちゃんと寝てるし大丈夫だよ??ありがとねっ」

「…おう」

スタスタ学校のほうまで一人でいってしまう颯に必死についていく
…やっぱり、君は優しいね。