裕貴
「花〜奈、帰ろ?」
「あ、うん!」
最近は、放課後お互い委員会とか何かしらで忙しく、
一緒に帰ることが出来なかった。
こうやって二人だけで話すのも1週間ぶり。
「…ねぇまだ学校の人達いるって、」
「いいじゃん。見せつけとけば。」
いつも人が少なくなったタイミングで手をつなぎ始めていたけど、
…もう割と花奈不足が激しくて、すぐに触れたかった。
「花奈今日用事あるの?」
「ん?無いよ?」
「…じゃあちょっと座って話そうよ?」
小さな手を引いて、俺の隠れ家スポットに来た。
「え、こんなとこあったの?」
「俺もこの前見つけたんだよ。いいでしょ?」
「うん!」
学校帰りに寄り道して見つけたこの場所。
細い木道を抜けたところにある休憩場所のような丸いベンチ。
花奈は周りの目を気にしてしまうから、ここなら気にせず一緒に居てくれるかなって。
「寒くない?大丈夫?」
「大丈夫!ありがとっ」
首に巻いてた大きなマフラーを肩に羽織り、制服のリボンを巻直す。
うちの学校の制服は、形作られたリボンじゃなくて自分で結ぶものなんだけど…
…何かエロくね?
「…っん…びっくりした、」
本能のままに体を任せれば、知らぬ間にキスをしていた。
「…ぇ、えっ、ちょっと?」
「しー。静かにして。」



