「…待つよ。」
「っへ?」
「待つ…口野君を。
私も、もう少し一緒にいたい、かも…」
本当、なんでこんな事言ってしまったんだろうね。
今でも後悔してる。
「いいの?」
「うん。」
「…マジ嬉しい。大好きだよ、花奈。」
「わっ、!?」
またこの心地の良い腕の中。もっとここに居たいって思ってしまう。
ずるい
「ねぇもう1回キスして良い?」
「無理恥ずかし…んっ、
…無理って言ったのに、!」
「だって恥ずかしがってるの可愛いんだもん。可愛い花奈が悪い。」
…なにそれ。
「遅くなっちゃったね。ゆっくり歩いてかえろ?」
「うんっ」
さっきまで手を繋がれるとむず痒かったのに、
今はちょっと嬉しい。
告白されるときの独特の緊張感、ファーストキスの瞬間、抱きしめられた瞬間。
帰り際にされた時間の止まるようなキス。
すべてが今も鮮明に思い出せるくらい、私の人生で大きな出来事だった。



