「ん〜面白かった!」
「面白かったね。…ねぇ手、」
流石に気になるのか、エンディングが終わった後に尋ねられる。
「ん?何が?…ほら早く出よ、誰も居ないじゃん」
無理矢理話を切り上、花奈の手を引いて映画館を出る。
恥ずかしのか、手を繋ぐ俺より少し後ろを歩いている。
「ふはっ、ねぇ隣歩いてよ」
「へっ?…だって…」
「恥ずかしいんだ?可愛いねぇ花奈ちゃん」
「…うるさい。」
んぁあ可愛い!!
うるさいと言いながらも、手は振りほどかないのがまた可愛い。
「よし、ご飯食べに行こ!」
「…うん。」
まだ空は少し明るいけど、早めにご飯は済ませておきたい気持ち…
「美味しい!」
「ん、美味いね」
いつも昼休憩の時は一緒にいること殆ど無いから、目の前で花奈がご飯を食べているという事実だけでもう愛おしい。
…俺大分重症かもな。
「ごめんね、今日全部出してもらっちゃってる…」
「いいの!女の子は素直に出されてたらいいんだって」
「ありがとっ…ねぇまた手、」
…ごめん今手を繋いだのは無意識でした。
可愛いものにはずっと触れてたいじゃん?
人間の本能。
「嫌だったら振りほどいていいよ?」
「もぉ…。」
うん、絶対拒まないと思ったし、これは期待してもいいってことだよね?
「…ねぇ靴紐解けたから手離して?」
「ん、しゃあなし」
しゃがんで縮こまってる姿がどうしてか超絶可愛い。
「お待たせ…うぁっ!?えっ、ねぇちょっと…」
「ん〜?」



