大好き信じた私が馬鹿?



花奈


「もぉ…なにぃ、」

「ほら早くノート書きなよ?」

最近の口野君はやたらと近い。何をするにも距離が近いし、ボディータッチが多い。

「花奈っていい匂いだよね」

「そんな事ないけど…顔近い!」

「ん〜?」

なんだかんだ颯を見続けて来た私は、告白をしてもらえはするものの…まだ彼氏というものが出来たことがない。
そんな恋愛耐性のついていない私にとって、こんなのドキドキするなっていうほうが難しい。

「え、花奈の手ってこんなに小さかったの?
俺の関節一個分も差あんじゃん」

今度は手のひらを合わせだした。
…なんなの!?

「早くノート書きなよって言ってきたのに、これじゃ書けないじゃん。」

「寒いから書きにくいかなぁって思って手を温めてあげてんの。
何なら抱きしめてあげよっか?」

「……」

無言の圧力ってやつ?目の力だけで黙ってと訴えるけど、この人にそんな物は効かなかった。

「照れんなって〜」

…一体この人は何がしたいのか。私を弄んで楽しんでいるのであろうか。
私単純なんであんまり試さないで頂きたい。