次の日、そしてそのまた次の日もあかねは学校に行くといってしおんの家を訪れていた。
太陽はだいぶ高く昇ってきて、気温もじわじわと上昇した。今日は十五度前後になり、過ごしやすくなってきた……と楽観するわけにはいかない。
地上の雪はほとんど溶け、川にはさらさらと冷たい雪解けの水が流れていた。あかねはしおんと多摩川のほとりの公園を散歩する。ここは春先なると梅が咲き訪れる人も多い。けれども異常気象を予測したのだろうか、今年は梅の花がまったく咲かなかったという。
「緑が戻ることはもうないんだろうなぁ」
茶色い裸の木枝を眺めてしおんはいう。あかねは木々を眺めると、小さなつぼみを蓄えた木があることに気づく。
「あっ、でも梅のつぼみがついてるよ。咲いてくれるといいなぁ。あたし達が生きてる間に」
あかねは梅の木枝をしならせて、つぼみの香りをたしかめるけれど、そこには何の匂いも感じられなかった。
「あかねは梅の花が好きなの?」
「うん。梅の花っていうとみんな薄い桃色を想像するじゃない? でもね、あたしは白色の『月影』っていう品種が一番好きなの」
「ふーん、どう違うんだい」
太陽はだいぶ高く昇ってきて、気温もじわじわと上昇した。今日は十五度前後になり、過ごしやすくなってきた……と楽観するわけにはいかない。
地上の雪はほとんど溶け、川にはさらさらと冷たい雪解けの水が流れていた。あかねはしおんと多摩川のほとりの公園を散歩する。ここは春先なると梅が咲き訪れる人も多い。けれども異常気象を予測したのだろうか、今年は梅の花がまったく咲かなかったという。
「緑が戻ることはもうないんだろうなぁ」
茶色い裸の木枝を眺めてしおんはいう。あかねは木々を眺めると、小さなつぼみを蓄えた木があることに気づく。
「あっ、でも梅のつぼみがついてるよ。咲いてくれるといいなぁ。あたし達が生きてる間に」
あかねは梅の木枝をしならせて、つぼみの香りをたしかめるけれど、そこには何の匂いも感じられなかった。
「あかねは梅の花が好きなの?」
「うん。梅の花っていうとみんな薄い桃色を想像するじゃない? でもね、あたしは白色の『月影』っていう品種が一番好きなの」
「ふーん、どう違うんだい」


