灼熱の白夜よりも熱い恋をきみと

 そのとき空が眩しく輝き、地平線から強烈な光を放ちながら太陽がその姿を現した。皆が知っているかつての太陽より、はるかにゆったりと空に光を広げた。

 眼下を埋め尽くす雲海が、地平線の彼方から光を散らして煌めいていく。

「うわっ……すごーい!」

「ほんとだ、この風景をあかねと見れて俺も嬉しい! ……なぁ、ほんとうはすこしずつ指を握るはずだったけれど、そこまで気長に待てなさそうだ。だって……」

 そういうとしおんはあかねの背中からそっと腕を回し、その腕に優しく力を込めた。

「世界の終わりが来る、そしてきっとあの太陽に焼き殺されるんだ。だから一日一日を待つなんてできっこない。
 俺はそんな太陽に負けないぐらいの熱できみを焼き焦がしてしまいそうだ。それでもいいかな」

 耳元にかかるしおんの吐息は、彼の胸の中のありったけの熱を含んでいて、あかねの耳朶《みみたぶ》はそれだけで火傷したように真っ赤に染められた。

 あかねはしおんの腕を緩め、ゆっくりとしおんに振り向く。