灼熱の白夜よりも熱い恋をきみと

 すこしだけ楽しい気分になれたのに、無理なお願いをしてから、それが叶わないと思い落ち込む。

「ああ、これ、ひとり相撲だ。ごめんね、無理言って。今度までに考えてくるから、もし思いついたらこれでメッセージを送るね」

 落胆を込めてそういいもらったスマートウオッチに目をやってから顔を見上げる。しおんは鼻の穴を大きくして期待にあふれた表情していた。

「だったら叶えてあげるよ、今すぐなら日の出までに間にあうよ!」

 早口でそういうと、今度は腕をぎゅっと握り手を引く。

「俺の家に来てくれないか、これから見に行こう!」

 水を得た魚のように勢いよくザクザクと雪の中を進んでいくしおん。

「ちょ、ちょっと待ってよ。どうやって雲の上まで行くのよ!」

「いいからいいから。メイド・バイ・シオンの出番だ、ヒャッホー!」

 ひとりで盛り上がるしおんにわけがわからずついてゆく。

「なんなのよ、そのメイド・バイ・シオンって! 日本語に直すと、えっと……しおんくんのそばにメイドさんがいるの?」

「そんなボケにツッコミは不要だよね!? それじゃあ一緒に雲の上へ行こうぜっ!」