灼熱の白夜よりも熱い恋をきみと

「諦めなんていうなよ。だって俺は全力できみに好きになってもらうつもりなんだから」

「はぁ? それを決めるのはあたしでしょ」

「そうだね、だけど俺はきみに夢を見させてあげることができる……かもしれない。だからもしよかったらきみの願い事を言ってくれ」

「願い事……?」

 あかねはすこしだけ思考を巡らしてから、頭に電球がついたように、ピンと人差し指を立ててパッとした表情を浮かべる。

「そしたらさ、あたし、一度見てみたかったものがあるんだ。雲の上から昇る朝日。それを眺めてみたかったの! だってもう朝は二度と来ないんでしょ」

 そうは言ってみたものの、絶対無理だとわかっている。

 だって、この連日の雪で交通機関は完全に麻痺している。世界は静けさが支配していて、車や電車の音はここ何日か聞いていない。聞こえるはずがなかった。電車で通う学生はしばらく登校できないでいる。

 あと何日かして日が昇れば雪は解けて電車や車は動くようになるのだろう。でも、日が昇ったら当然、夜明けのその瞬間は見れないことになる。