灼熱の白夜よりも熱い恋をきみと

 そういってきた。でもたしかに肌を切るようなこの冷たさは、もう二度と訪れないものだ。灼熱の地獄になって世界が滅びるのは決まったことだから、その深い瞳にあかねは冗談で返す気にも、断る気にもなれなかった。

「いいよ……どうせ世界は終わるんだし」

 そういって目をそらすと、視界の隅でしおんは小さくうなずいていた。

「ありがとう、あかね」

 頬に当てたしおんの手は、だんだん温もりを蓄えてきて、しだいに嫌ではなくなってきた。

 あかねは自分から繋いだ小指を解いて、左手の手袋も外し、頬に触れるしおんの掌の上に自分の掌を重ねた。あかねの知らないしおんの体温がその小さな掌に伝わってくる。

 ……あたし、しおんくんが変人だって噂が立ってるから、嫌なんじゃない。

 なんで自分のことなんか選んでくれたんだろう、あたし自身がその疑問を拭えていないだけなんだ。好きになってもらえると、本気では信じていなかったんだ。

 そう思い、うつむいたままそっと零す。

「あたし、しおんくんのこと、好きじゃないって言ったけど、嫌いでもないよ。だからもう諦めてちゃんと付きあうよ」