灼熱の白夜よりも熱い恋をきみと


 あかねは考え込む。文香はあたしよりも背が高くて頭もいい。美人で前向きで、何をするにも行動的。放送部も文香に誘われて入部したようなものだ。自分でイベントの企画をして、すぐに彼氏を作ってしまった。そして手を繋いだとあたしに自慢している。

 手を繋ぐ、というひとことに、あかねの中にある劣等感が紐付けされ、深層心理からズルズルと引っ張り出さ出てきた。

 あかねはキッ、としおんを見返す。

 しおんくんは見た目はイケメンだ、なんか嫌だけど。頭も抜群に良い、なんか癪だけど。そして背も高くスタイルも文句ない、ずるいなぁと思うけど。

 中身さえごまかせれば、建前の彼氏としては最高じゃないかしら?

 そこであかねの胸中にはとある作戦が浮かんだ。

 果たしてクラスメートはどれだけ彼のことを知っているのだろう? 神出鬼没の水着好きのメカオタクの変人という噂が立っているだけだ。まぁ、事実だけど。

 だけどあたしが彼のイメージを上方修正させられたらみんな、あたしのことを羨ましいと思うかも。しおんくんは実は「金の卵」だったのに、って。

 あかねは決心する。そして満面の笑みで返事をする。