灼熱の白夜よりも熱い恋をきみと

 ……あたしにそう言わせるんだ。

 あかねは「これ、あくまで操作上だからね」と断ってから、おそらくそういうことだろうと予想したパスワードを小声で口にする。

「しおん、愛している」

 その瞬間、腕時計がぱっと明るくなり文字入力の画面が表示される。同時にあかねの頭からぱーっと湯気が立ち上る。あまりの恥ずかしさに、机に突っ伏して顔を隠した。

 するとしおんは今度はからかわず、あかねに柔らかい声でいう。

「これからこの時計の時間を見て、俺はきみにメッセージを送るよ。
 朝起きたら「おはよう」、寝るときは「おやすみ」ってね。
 でもこのことは、家族に絶対に気づかれないようにしてくれないか。あくまでこれはただの腕時計ということにしてほしい。仲の良い友達にも、だ」

 その意図はわからないけれど、あかねはその小さな秘密を持つというシチュエーションに惹かれ首を縦に振った。

「ありがとう、大事にするね。プレゼントとしてはかなり高級品だもの。それにしてもすごいね、こんなの改造できるなんて。頭いいの、伊達じゃなかったんだね」