ほんとうは文香とふたりで訪れたかったけれど、結局のところ文香は先約がいると断られた。もちろん彼女の中であかねより上位進出した強者は東照寺くん。本人が好き好んで駆け上がったかは不明だけど。その名字、ここ数日で何百回聞いたかわからない。
「あんたもできたでしょ、彼氏」
と文香からからかい半分で送り出されたあかねは結局、気まずさ満載でその感情を処理できないまま、しおんとふたりだけでこの喫茶店に来ることになってしまった。余計に疲労が蓄積して回復が追いつかない。
あかねは甘い香りを放つホットチョコレートと、つやのある桃のタルトが運ばれてくると、しおんに目をくれることなく、それらをぺろりと平らげた。それから追加でガトーショコラを注文する。
「いい食べっぷりだね」
しおんが楽しそうにあかねに話しかける。
だってもう世の中終わっちゃうんだよ、太ったっていいもん。だいたい最初で最後の彼氏がしおんくんだよ?
「うおーい、きみの中で俺の扱いってどの辺?」
「うーん、だいたいしおんくんってさ、あたしのどこが良かったわけ? なんかからかっているだけにしか思えなくて」
「あんたもできたでしょ、彼氏」
と文香からからかい半分で送り出されたあかねは結局、気まずさ満載でその感情を処理できないまま、しおんとふたりだけでこの喫茶店に来ることになってしまった。余計に疲労が蓄積して回復が追いつかない。
あかねは甘い香りを放つホットチョコレートと、つやのある桃のタルトが運ばれてくると、しおんに目をくれることなく、それらをぺろりと平らげた。それから追加でガトーショコラを注文する。
「いい食べっぷりだね」
しおんが楽しそうにあかねに話しかける。
だってもう世の中終わっちゃうんだよ、太ったっていいもん。だいたい最初で最後の彼氏がしおんくんだよ?
「うおーい、きみの中で俺の扱いってどの辺?」
「うーん、だいたいしおんくんってさ、あたしのどこが良かったわけ? なんかからかっているだけにしか思えなくて」