灼熱の白夜よりも熱い恋をきみと

 表情をうかがうけれど、もうすぐ朝が訪れる淡いブルーの空を背にしているから、逆光でその表情が読み取れない。

 ちょっと幻想的に見えるけど惑わされちゃ駄目。あたしの首は横向きにしか動かない動かない動かない……とあかねは自分に暗示をかける。

「さあ、あかね、ここに来てくれないか」

 心底足を進めたくなかったけれど、「イエス」も「ノー」も壇上で返事しなければいけないルールを作ってしまった文香のせいで退くに退けない。あかねはいたしかたなくのそのそと登壇した。できるだけマイナスオーラを発しながら。

 おそるおそる視線をしおんに向けると、目があったしおんはにっと口角を上げた。

 きりりと切れ長の目尻に、ふわりとした髪がかかる。すっと整った鼻と顎のライン。近くで見ると思ったよりも背が高くて、そんじゃそこらのモデルさんよりもイケメンだ。

 胸の奥が強く拍動する。

 冷静になれ、あたし。彼は中身が変人さんなんでしょ?

 そんなあかねの思惑はいざ知らず、しおんは堂々と皆のほうを向いて宣言する。

「俺、一年B組、高槻 しおんはこの世界の中で唯一、目をつけた女子がいる」