灼熱の白夜よりも熱い恋をきみと

 一方で政府高官の御子息御令嬢も多数在籍しており、裏口入学の温床だとまことしやかに噂されている。だからあかねは自分の親が警視監であることに引け目があり、しかしこの高校へは自分の実力で合格しているものと信じている。でも真実は不明。

 そしてその実力世界のヒエラルキーの頂点に君臨するのが「高槻しおん」。

 学年全体の前期試験の結果、二百三十五名中の一位。入学時、特待A・授業料および入学金は全額免除。

 けれども出席率は学年最低、神出鬼没で遭遇率の最も低い生徒。

 定期試験の際にはポケットに手を突っ込んでふらりと学校に現れて、さらりと問題を解き終わり試験終了時刻前に教室から立ち去る。

 友人零名、恋人不明、当の本人が度々行方不明。山川先生が自宅に電話すると大抵、母は「ただいましおんは留守ってことになっています」か「空を飛んでいます」と返事する。