灼熱の白夜よりも熱い恋をきみと

 しおんくんがこの家を訪れたのは手紙を渡すためだったのだろうか。中身はなんだろう。

 儀式のように明かりに透かしてみたり、振ってみたり、匂いを嗅いでみたりするけれど、無機質なその封筒にはラブレター的な要素はなさそうだった。

 さっそく、封筒を開けてみると、便箋ではなくルーズリーフが一枚、折りたたまれて入っていた。なんだろう。ぱらっと広げて見ると、簡単な文章が書かれているだけだった。

 まるでただの伝言だ。こんなこと、口でいえばいいのにとあかねは思う。

『明日の放課後、学校でやっている『誓いの鐘イベント』でいいものが見れるんだ。だから絶対、来てくれないか。
 あなたの 高槻 しおん』

 なに、これ…………。

 最後についた『あなたの』が思いっきり警戒心を湧き起こさせる。

 けれどもこの手紙のあるなしに関係なく、あかねの気持ちは決まっていた。なぜならあかねにとって『誓いの鐘イベント』は今ある数少ない娯楽のうち、最も楽しみにしているものだからだ。

 地球がおかしくなっているのだと知った時、クラスの皆で話しあったことがある。とはいってもしおんはいつものように不在だった。